銀座筋デパ地下から夢想する幻想食生活

 今日、たまたま銀座高島屋に立ち寄る機会がありました。地下食料品売り場をスーツで歩いていたら、弁当売り場のおばちゃんに五色のそぼろ弁当を勧められてちょっと困りました。すごく美味しそうだったので。
 仕方なく、キムチを百グラムだけ買って帰りましたとさ*1


 デパ地下なので山海の味覚が目白押しであった。そこでふと思ったのだけど、海のない幻想郷では山海の「海」の方の味覚は無いのでしょうかね。それとも、外の世界から流れてくるのでしょうかね。なにせ、幻想郷は山の中。

 ここは東の国の人里離れた山の中。
 博麗(はくれい)神社は、そんな辺境にあった。

 この山は、元々は人間は棲んでいない、今も多くは決して足を踏み入
 れない場所で、人々には幻想郷と呼ばれていた。
 幻想郷は、今も相変わらず人間以外の生き物と、ほんの少しの人間が
 自由に闊歩していたのだった。
 
 人々は文明開化に盲信した、人間は生活から闇の部分を積極的に排除
 しようとしていた。
 実はそれは、宵闇に棲む生き物にとっても、人間との干渉もなくお互
 いに気楽な環境だったのだった。
                 (東方紅魔郷より)

 少なくともにぎり寿司はあるまい。現在の寿司の形が整ったのは江戸時代だから、寿司という概念はあってもネタが揃わないだろう。良いとこいなり寿司、ちらし寿司止まりだろう。
 しかしちらし寿司。小エビやかまぼこが入っているではないか。かまぼこだってスケトウダラが捕れなければ作れない。そういえばちくわもはんぺんも海魚の練り物だ。とすると、おでん屋もいささか寂しい品揃えなのだろうか。それ以前に、いまの形のおでんが出てきたのはいつ頃だろう?
 幻想郷が隔離されたのは明治期だけど、そこから約百年の間にそれなりの変化はあったろうし、時代を経るにつれて結界の外からの物の流入率は高くなっていたと思われる*2
 だとしたら、そのうち「白い砂浜と魚が泳ぐ青く澄んだ海」も幻想になって入ってくるのかもしれない。その時、空前の刺身ブーム、にぎり寿司ブームが巻き起こってもおかしくないだろう。実に可笑しい。
 話が横道にそれ始めた気がする。ここで注意すべきなのは、一部の例外*3を除いて、幻想郷の食卓を描写するとき、海鮮はなるべく避けた方が良いということだ。練り物についても。
 ところでちらし寿司だが、これは萃香の得意料理ではないかと夢想している。
 萃めて散らすから。


 こうして(東方に関しては)ネタだけが溜まっていく日々。

*1:どうせ私しか食わない

*2:結界が弱まったのと、外の世界で幻想になったものが増えたため

*3:たとえば、八雲紫