わたしの勇者さま 前

わたしの勇者さま〈前〉 (角川文庫―スニーカー文庫)

わたしの勇者さま〈前〉 (角川文庫―スニーカー文庫)

 この本を知っている人はどれくらいいるだろう? かくいう自分も知らなかった。人づてに聞いて知った。で、読んだ。
 十五年以上前のライトノベルだが、いまでも十分読める。変な臭みはないし、古くささも感じない。レトロという意味での古さはあるが、作品自体はまったく色褪せていない。
 簡単にお話しを説明すると、異世界の勇者が現代日本に飛ばされてきて女子高生に助けられる。勇者は二十世紀の文明や文化に戸惑いながらも、少女やその家族(含む愛犬)と触れ合い、帰る方法を模索していく。やがて、元いた世界の宿敵が刺客を送り込んでくるが……。
 前巻の内容はこんなところ。「なんだありがちじゃないか」と思うなかれ。いま現在のライトノベルでこういう「ありがち」を違和感なく、しかも面白く読ませる書き手がどれほどいるだろうか?