慧音にまつわる何とやらまとめ

その一

 >やっぱり帽子と紺青色の装束が良いのでしょうか?(9/4摸捫窩さん)
 そおですね。髪の色のせいもあるのでしょうが、青と白の色合いが似合うのは、彼女の由来によるものでしょう。
 上白沢慧音は、中国の妖怪白澤(ハクタク)と人間のハーフであるため、そのルーツは中国にあります。
 ハクタクは史書に「黄帝の問いにすらすらと答え叡智を示した」とあります。
 いわば鳳凰麒麟(ビールに描いてある)とならぶ神獣、天の使いと言っても過言ではないでしょう。

 大陸では天のことを天帝と敬う考え方があります。
 ハクタクの知識は、ハクタクが体中に持つ「目」よって識った(知った)ものであると同時に、天帝から授かった叡智でもあります。
 天知る地知ると言うでしょう?
 すなわち、天にもまた目があるのです。
 天の目。その象徴と云えば、言わずと知れた太陽であります。

 中国には古来より、太陽の象徴として描かれるあるものがあります。
 それが「青天白日」です。
 色合いは青と白。そして意味は↓

 『心の中が明白で、少しも隠しごとや疑われることがない状態。うたがいや無実の罪がはれること』

 慧音の性格・性質にぴったりだと思いません?

 だからこそ、あの装束とトータルで見たときの色合いがもっともしっくり来るのだと思います。
 まあ、霊夢謹製似非巫女装束姿も悪くないのですけど(笑)

 帽子については、孔子の弟子・子路にならって「学士なれば如何なる時でも学帽を被らないと」とでも思っているのかもしれません。
 このため、数々の二次創作作品で、帽子が慧音のアイデンティティとして描かれるのは、非常に自然な流れであると考えます。

その2

 摸捫窩さんによるハクタク談話。やはりこの方面の知識はさすがですねー。
 自分は、史料から正しい知識を求めるよりも、断片からあれこれ空想して、独自の解釈を求める人種ですので、ああいう与太は良く吐きます。

 僭越ながら捕捉させて頂きますと、延喜式とは古代国家(平安時代)の決まり事(政治、祭礼など……専門的にいうと律令格式)の集大成と言えるものです。
 現代で言うならば、憲法似たようなものです。  

 作られたのは、岡野玲子陰陽師』で有名な安倍晴明が活躍する時代より、おおよそ百年くらい昔のことです(おおざっぱすぎ)。

 ようするにその時代。これからの日本はこれでいくぜ!とマニフェストをずばーんと掲げて、その上決定事項にしてしまったという感じです。
 横暴ですねー、強引ですねー。まあ、親政(天皇の直接政治)でしたからね。
 と、かなり軽く説明していますが、現在でも完全な形で残っている史料であり、 神職ならば必読の書であるそうです。
史学(院)で概要を知らなかったら恥だそうです。
 ちなみに、陰陽師の所属する陰陽寮は、延喜式ができた当時存在しなかったので、後付けの機関だったりします。