メルカトル

メルカトル

メルカトル

地図をめぐる冒険ものと思いきや人と人の関係が地図のように展開されていく、ファンタジックなミステリだった。
伏線がすべて繋がり収束していく流れが自然で運命的ですらある。
ところで、主人公は地図収集館の嘱託職員なのだが、これが図書館の業務と重なって個人的には面白かった。館内の描写から業務の流れや雰囲気まで、よく観察しているなあと思った。
古書の一帯を砂漠地帯とたとえるのは、確かに言い得て妙だ。