ウィリアム・シェイクスピア(小田島雄志訳)『ハムレット』白水Uブックス

ハムレット (白水Uブックス (23))

ハムレット (白水Uブックス (23))

大筋も結末も知っているが、ちゃんと読んだことがないんで読むことにした。
この戯曲の主人公ハムレットの台詞。

To be, or not to be, That's the Question.

これは『ハムレット』に限らず、シェイクスピアの作品の中でも、最も有名な台詞だろう。というより、その邦訳が有名と言った方が正しいか。

生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。

これね。
ところが、この本では「To be, or not to be, That's the Question.」をその様に訳していない。では、どうなのかというと。

このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ。


   ウィリアム・シェイクスピア小田島雄志訳)『ハムレット(第三幕第一場)』白水Uブックス

読んだときにすぐ「To be, or not to be, That's the Question.」だと気づいたが、同時に感嘆の声を上げた。
それまでの物語の展開からすれば、この訳の方がしっくりくる。
たしかに戯曲としては「生きるべきか〜」の方が盛り上がるかもしれないが、そもそも「be」をどう訳すかという問題にぶつかったとき、それまでの経緯からハムレットの意志を辿れば「生きるべきか〜」だと意味がやや飛躍してしまう。
本で読む上では、この本のこの訳で読むことをお薦めしたい。

余談ながら、仮にこれにさらなる意訳が許されるなら、自分はこう書く。

何かを為すべきか、何も為さぬべきか、それが問題だ。

白水Uブックスは、訳が良いものが多いので、外国文学の、とくに有名どころは、ここから出ているものを読むことにしている。