あやなみ・磯風型突撃宇宙駆逐艦綾波(宇宙戦艦ヤマト2199メカコレクション)

 先に書いておきますと、本体は素組みで、表面処理と塗装をしただけです。



 デカールに「あやなみ」の艦名板を見つけたので、雪風ではなくあえて綾波を作る辺りがひねくれています。ちなみに、本編のどのシーンで出てきた艦かというと、第一話のメ号作戦で陣形を組む地球艦隊の旗艦きりしまの右舷から前へ出て行くゆきかぜと同じカラーリングの艦がそうです。同型艦の中では最も艦橋部分が外観からアップで映った艦でもあります。



 こんな感じですね。本編をよく観察しているとゆきかぜ同じカラーリングの艦で艦名がわかるのはしまかぜなのですが、艦橋の後ろの部分はモールド表示なのに対して、あやなみだけは一色なんですよ。モデルになった帝国海軍の白露型駆逐艦綾波も好きな艦だということもあります。



 右舷側から。劇中では艦橋上部のアンテナはもっと細いのですが、いずれにせよ正面が主砲の死角になるという設計はどうかと長年思っていたのですが……(続く)。



 左舷側から。(続き)実際これを作ってみると砲身がない砲塔なので、下手に底上げするとバランスが崩れて美しくないのですよね。



 艦尾。設定だとY軸の安定翼(?)の長さが上が短く、下が長いらしいのですが、このスタイルでも十分格好良いので気にしません。



 艦上面。突起物が多いように思えて、非常にすっきりしたシルエットを持っています。アニメ側のデザインが多少リファインされたこともありますが、昔作った旧メカコレの古代艦と比較すると艦体と砲塔のバランスが良くなったように思えます。



 ひっくり返すとこんな感じです。タンクの塗装が汚いのは後述しますが、この部分の塗装はかなり難しいです。下手にマスキングすると、境界面に塗料が溜まるからです。



 艦首から。艦橋の窓を塗るのには苦労しました。



 真っ正面。厚すぎもせず、薄すぎもせず、良いバランスですね。素組みででもこれくらいのシルエットは出せます。



 砲戦開始。高さが足りないのでガラス製文鎮を台にしました。



 艦尾から。劇中では描かれませんでしたが、やはりかの鬼神綾波のようにゆきかぜに負けず劣らずの戦いぶりをしたのでしょうか。



 さて、以下は製作過程です。
 ランナーからパーツを切り離し、タミヤ・フィニッシングペーパー(模型用紙やすりです)、600、800、1000、1200、1500、2000番を使い分けつつ切り取り跡を消します。
 最も良く使うのは1000番で、タミヤ精密ニッパーで切り離す限りは、これと2000番で足りるんじゃないでしょうか。2000番は最後のならしに使います。やらなくても大丈夫だと思いますが、自分はほぼ筆塗りのみで塗装するため、表面はなるべく均一の方がいいのです。



 サーフェイサー1500を噴いてから、塗装に入りました(じつはこれが今回最初にして最大の失敗)。
 最初に白(Mrカラー・漆喰色)と、一部をマスキングして黄色(Mrカラー・RLM04イエロー)を塗ります。このタンク部のマスキングこそが失敗その2です。



 黄色がなかなか乗らず悪戦苦闘しているところです。タンクのマスキングテープは、持ち手の固定も兼ねていたのですがそれだけで十分だと後から思い知ることになります。マスキングテープとの境界面に塗料が溜まってしまいもこもこになってしまったのです。
 しかも、サフを噴いてしまったために下手に溶剤で色を落としてやり直ししようとすると、艦本体と色合いが変わってしまうためにっちもっさっちも行かなくなったところです。結果、今回は強行することにしました。



 今回の失敗その3。艦橋の窓を塗る際に、ガンダムマーカーのメタリックグリーンが良いとあったのですが、同じラッカー系塗料なので塗装皿に出して筆塗りすると(直接は無理です)、色が乗らずに負けるんですね、下地になっている色に。その上、修正しようと溶剤を使う(綿棒に含ませて拭き取ります)と窓周辺も巻き込むという大惨事。
 艦首上部全体を塗り直す羽目になりました。そして四つ目の失敗を犯します。艦橋アンテナ部分と色合いが異なってしまったのです。同じ手順で塗装しているはずなのに、どうしても合わない。そこで、この後溶剤で本体の色を薄めつつ、ガンダムカラーのMSホワイト(UG01)をうすーく塗って誤魔化しました。
 この結果、完成写真のようにウェザリングをしていないのに汚しをかけたような色合いになりました。



 気を取り直して、エナメル塗料のクリアグリーンとクロームシルバーを混色して塗り直します。周辺のマスキングはきっちり。
 はみ出したところをエナメル溶剤で拭き取っても、これなら下のラッカーと干渉しません。最初からこうすれば良かった。というより、なぜガンダムマーカーを使ったのかといいますと、別のキット(大物と言うこともありいまだ未完成)を買った際に細部のこうした塗装にガンダムマーカーがいい、と某模型専門店の店員に勧められたからです。しかし、考えてもみれば、ラッカーとラッカーなのでこうなるのは目に見えていますね。最初に自分は「全て筆塗りでやる」と言ったにも関わらず……。



 気を取り直して赤を塗ります。これは比較的楽でした。使用したのは手元に残っていたガンダムカラーのレッド1。ガンキャノンの指定色と同じなので、いまは別名で売っていると思います。



 最後に墨入れをして付属のシールを貼ります(シールの位置決めがかなり難しく、やり直しが利かないので慎重に)。試しに買っていたガンダム墨入れペン・シャープというシャープペンシル式のものを使ったのですが、これが思っていたよりもはるかに使いやすく驚きました。なお、艦首装甲甲板(赤い部分)の先端部は、通常の黒の墨入れペンで行っています。当初は筆塗りをするつもりだったのですが、思っていた以上に細かかったのと艦体の白い部分の汚しっぽい塗装と併せるため、こちらを使用しました。



 書くのを忘れていました。あやなみの特徴である艦橋後部は、黒鉄色(エナメル)で塗装しています。
 また、最終的に半光沢かつや消しをスプレーするつもりだったのですが、思っていたより照り返しは強くなく、これ以上手を加えてまた修正点が出ると嫌なので止めました。
 撮影者の腕がないため、結構反射してしまっていますが、実際の照り返しは、強い光を当てない限りは目立ちません。



 いつもながら本当に黄色塗装は難しいです。というより、黄色って溶剤を使ってもなかなか筆から落ちないので嫌いなんですよね。
 しかし、この磯風型突撃駆逐艦なのですが、配色が絶妙なんです。劇中では三パターンの塗装が出てきましたが、色指定をした人は苦労したと思います。
 この艦は色が少ないと味気なく感じられ、悪い意味で地味な印象を与えてしまうからです。恐ろしいと感じたのは、初代宇宙戦艦ヤマトからの赤白黄色のトリコロールで、ハデといえばハデなのですがこの艦のシルエットにはマッチしていると思います。
 設定色以外で塗装する場合、小改造して多少ディテールを変えた方が良いと思っています。
 機会があったらゆきかぜでリベンジしたいですね。じつはオリジナルカラーで塗ることを想定して、すでにもう一個買ってあり多少出来ティールのいじってあるのですが、そっちはパーツを足すかもしれないのでゆるゆる作ります。
 ゆきかぜは、作るとしたら贈呈用かなあ。

 おそまつさまでした。