じわりじわりとハイレゾ音源が浸透してきているこの頃、みなさん如何お過ごしでしょうか。
私自身ハイレゾ音源については若干抵抗感がありまして、理由は以下の二点です。
「人間の耳ってそこまで性能が良いのかしらん?」という疑問と「相応の再生環境が必要になるのでわ?」という不安。
この二点です。
前者に関しては、先入観が強く作用しやすいのと「実際に作っている人間は聞き分けられる」ということからして、その辺にちょいと置いておきます。
そもそもこれは「CDよりも良い音質が未知の領域」であることも影響していると思います。サイバーパンク華やかなりし80年代風に書くと「未体験ゾーンへようこそ」なんですよね。
同じひとが作った同じ楽曲で聞き比べれば、そりゃあ違いはわかるでしょうが、ハイレゾ一本に絞られた場合は、それで判断するしかありません。
ここに絡んでくるのが二点目の不安です。
私はPCの音楽再生環境にはそれなりに気を遣っていますが、ウーファーは配置していませんしオーディオインターフェイスも噛ましてません。スピーカーサイズも小さい方ですし、ヘッドホンもそこそこの品です。
素人から見ればややお高めで、趣味人含む玄人から見れば安い環境だと思います。
作詞をする分には支障がなく、「ここの音が聞こえないよ、なにやってんの!」とか「あー、低音に寄ってるよ」といった問題もないので現状維持していますが、ハイレゾ音源に対応できるかは甚だ疑問です。
そもそもCDを再生したときだって、古いMDミニコンポのスピーカーの方が音が良いんですから。まあ、腐ってもオーディオ機器なので当然ですが。
あと、これは個人的な好みですが、空間に響く音が好きなので、じつはあんまりヘッドホンを使うのが好きではないのです。それも完全な防音室などを求めるたちではなく、生活音などの雑音が多少あったくらいの方が自然でいい、というへんちくりんな人間なのです。
だからmp3に変換してリッピングはしますが、結局のところお気に入りの音楽はCDを引っ張り出して、コンポに突っ込んで聴いています。自分が聴く程度の音量ならば、まずご近所迷惑は発生しません。ビバ田舎。というより、一軒挟んで目の前にある道路の存在や隣が駐車場という立地条件も関係していると思います。
びっくりしたのは、集合住宅でもあんまり影響ないんですよね。単純に住人が少ないだけかもしれませんが。ザ・首都圏なのに田舎。
えー、話が逸れましたが、そうした環境にいるので自宅で音楽を聴く場合、CDがあるものはなるべくCDで再生するようにしてきました。
ここにきて「CDより音質の良いPCでの再生を前提とした音楽ファイル」が出てきたため、どうしよう? となってしまったわけです。
音質がCDを上回るのに、再生環境が追いついていなかったら勿体ないじゃないですか。
この先、HDDの大容量化と低価格化と同じことがSSDにも起きる可能性は十分ありますし、これによってリッピングの際に圧縮するということが「物量を持ち歩く以上に意味のない行為(音楽を聴くためではなく、音楽ライブラリを持ち運ぶためという意味)」となってしまったら、音楽再生環境の構成も見直さないとダメかなあ、と思ったわけです。
翻って、いま現在の再生環境はハイレゾに対して十分なものか? という疑問が現れました。
この辺は「どこまでこだわるか」ということにも繋がってくると思いますので、いまのところ結論を出すのは難しいでしょう。
ただ、DL販売の敷居がぐんと下がったこの頃、ハイレゾ配信は拡大しても縮小はしないと思います。
それでも通信速度やデバイスの性能向上に対して、いまひとつ動きが鈍いのは普及しているプレイヤーがハイレゾ非対応のため、聴く側の素地ができていないのでしょうね。
たとえば、ハイレゾ音源と言えば大体「FLAC形式」ですが、このフォーマットはiThunesに対応していないため、iPadやiPhoneとも相性がよろしくありません。
普及率やiThune Storeの存在を考慮すると、「とっとと対応しろやAPPLE、いちいちALACに変換するのが面倒くさいんじゃ」という思いを抱いている人は少なくないかもしれません。
Windowsの場合はVLCメディアプレイヤーで再生できるのですが、本来の主用途が映像再生なんですよね。
それから、自分のようにWinamp→SonicStage(Sony)→iThunesといったプレイヤーを使ってきた人間からすると、もう少し音楽再生に特化したプレイヤーが欲しくなります。
しかも、私は整理魔で図書館業務という仕事が半ば趣味と化していた人間なので、ファイルデータを細かく打ち込みます。大抵、ウェブ上から得た情報だと「全く足りない」ので自力で打ち込みます。それが楽しいので。
よって、そういうことができないと愛着が沸かないという困った病気を発症します。
まだまだハイレゾ音源が手元に少ない現状で、あえてそれだけのために新規にプレイヤーを導入するかとなると、あんまり食指が動きません。なお、私は現生人類なので触手は生えていません。
FLACからALAC形式に変換することで、iThunesでハイレゾ音源を再生する方法もあるのですが、これについても「そこまでする必要があるんかなあ。もうCDでいいじゃん」という面倒くさがり屋がささやきかけてきます。
これには元ファイルを保持すると、容量が二倍に増大し管理の手間も増えるというデメリットも存在します。
同じ品質のものならフォーマットを統一する、ということは重要ですね。
てなわけで、MediaMonkeyのフリー版を試しに入れてみたのですが、これiPhoneを接続すると自動起動するんですよねえ。そして、プレイヤー側のそれらしき設定を解除しても解決せず、調べてみたら「レジストリを 書き換える」などという不穏な言葉が出てきたので、アンインストールしました。
iThunes万歳ではないのですが、ユーザーの意思が反映されないソフトウェアって大嫌いなのです。機械任せにするのなら、最初にその判断をこちらに選ばせるべき、というのが個人的な主義です。
とすると、foobar2000を検討しますかねえ。
なお、現状でiThunesは限界まで軽量化措置を施してあり、アップデートの際もパッケージを解凍ソフトで展開してiThunes本体のみをインストールするようにしてます。この方法は、余計なものを後から消すより楽です。
古い記事ですが以下参考。
歌うキツネ : Windows版 iTunes 12 を最小構成でインストールする
とりあえず、メモ代わりに。
8月29日追記
アイコンがリトルグレイみたいなfoobar2000を導入してみました。
日本語化パッチを適応させたのですが、なぜか反映されません。
もっとも、プレイヤーとして使う分には英語でも問題ないので、しばらくこのまま使ってみるつもりです。当面は、FLAC専用プレイヤーかな。
ところで、このプレイヤー「すごくwinampっぽい」です(笑)
あと、ハイレゾ音源については「貧弱な視聴環境でも、音源の高音質によって聴かせる」狙いもあるのかな? ということに気づきました。
高級魚を食べるのに高級な皿や箸を用意する必要がないように、あえて視聴環境を整えなくとも十分良い音が聴けるようにするための高音質という側面もあるのかなあ、などと思いました。
実際、どうなのかはわかりませんよ。
ポータブルデバイスにしても高品質のイヤホンを求めるひとはいるでしょうし、私みたいにポータブルだからと割り切ってあり合わせのものを使うひともいると思います。そのくせ、イヤホンジャックの性能がiPodの方がいいからとiPhone導入以降も頑なに使い続けていますが。
このイヤホンについての割り切りっぷりが我ながらひどくて、カナル型だと耳が疲れてしまうということも相まって、AppleのOEM生産品のイヤホンを使い続けていました。ぶっちゃけ安物なので、安物な音質でした。
現在使っているはなにかに付属していたSonyのイヤホンで、間に合わせのつもりで繋いでみたら悪い冗談のように良い音を発したのでびびりました。新たに買う必要がなくなるほどで、なんでこれを放置していたのか謎です。