わたしの勇者さま 後

わたしの勇者さま〈後〉 (角川文庫―スニーカー文庫)

わたしの勇者さま〈後〉 (角川文庫―スニーカー文庫)

 この手の本の良いところは、多少ネタバレしても面白さに遜色がないところだと思う*1
 下巻はどうにか異世界に帰った勇者に、女の子が着いていって宿敵の魔道師と戦うというのがおおよその筋。おおすごい。一文であらすじが終わってしまった。幾ら何でもこれ以上はばらせない。
 下巻で感じることは伏線の張り方がすごく自然なところ。伏線を『伏線』や『伏線回収』という臭いを全く感じさせずに機能させていることだ。あざとさどころか小賢しさが全くない。とても読み手に優しい。そしてなにより少ない言葉で、異世界ルーを表わしている。読者をちゃんと異世界へ連れて行ってくれる。ここがポイントだろう。
 なお、このシリーズ。地味ながらもっとも目を惹く箇所は別にあるのだが、それは残り二冊を読んだ時にでも。

*1:個人差はあると思いますが