異世界転生物に出てくる TRPGのスキルさながらの「鑑定」は、技能というより「神の啓示」に近いと思う。ここではないどこかで生き直すことより、親しきあるいは近しき助言者を求めていたのではないか、とも思った。してみると、魔法の鏡は正直過ぎるAIと似ている。>RT
— 蒼桐大紀 (@AOGILI) 2018年11月17日
これを書いたとき「助言者」というキーワードが出てきたのは、何気にそういう本を結構読んできたからなのかもしれない。
迷える主人公に対して助言者となる存在が出てきて、同時にキーパーソンにもなる話の代表格は、『かもめのジョナサン』だろう。そうした助言者が、実は自身に内在するものあるいは自分自身であるとする作品もあり、バックは『イリュージョン』でそれを示唆していた。
- 作者: リチャード・バック,Richard Bach,村上龍
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1981/03/20
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ここから自分と世界の関わり方について掘り下げていくと、 スピリチュアルな方向に進んでいくのはあちらの人間にとって「神」とか「救世主」といった見立てを用いず語ろうとすると、古代から連綿と受け継がれてきた信仰対象とは異なる神秘に至るからなのかもしれない。
『アルケミスト』、『聖なる予言』などがこれに該当すると思う。
- 作者: パウロ・コエーリョ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1997/02/21
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- 作者: ジェームズレッドフィールド,James Redfield,山川紘矢,山川亜希子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1996/06/01
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関連商品で『星の王子さま』が出てきたのでついでに貼っておくけど、この作品もまあそうかもしれない。
- 作者: サン=テグジュペリ,Antoine de Saint‐Exup´ery,河野万里子
- 出版社/メーカー: 新潮社
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こうしていくつか挙げたところで、それっぽい和書が出てこないのは、私の勉強不足をさて置けば、日本列島が元来多神教の風土だからだろう。信徒ではない限りキリスト教観に基づく神の感覚は合わないと思う。
たとえば、ニーチェを引き合いに出すとき、生活風俗と技術産業の比較を添えないと話がわかりにくいのもたぶんそれが原因ではないだろうか(そういう小説がある)。作者は説得力を持たせたようでも、読者には衒学的で胡乱な話にしか思えない。衒学的になるのを狙って書いているだろう西尾維新のような作者は例外だけども。
あ、天沢退二郎の著書は助言者こそ出てこないものの、ちょっとそれっぽいところはあるかも。
これとか。