改磯風型突撃宇宙駆逐艦(宇宙戦艦ヤマト2199メカコレクション「ゆきかぜ」)

 リハビリ。いや、模型製作ではなくて文章の方です。サイトもブログもしばらく更新していなかったので、年始に作った模型の記事を書いてみることにしました。
 2199メカコレのゆきかぜを小改造して、塗装パターンを変えてみました。


 前回、あやなみを製作したとき、下地色の重要性を痛感したため、その反省から塗装しています。いつも通り、筆塗りです。


 初期案では別の三色使うつもりだったのですが、プラ板に大まかな図を書いて塗ってみたら悲惨な有り様になったので、思案したあげく『スタートレック』のエンタープライズB(エクセルシオール級)と『劇場版・機動戦艦ナデシコ』のナデシコBを参考にシンプルにまとめてみました。


 側面から見ると一目瞭然。白は二種類使っています。艦橋部分及び艦首の明るい白はガンダムカラー・MSホワイト(UG01)、艦中央から艦尾は城・漆喰色(CK1)です。


 製作中の図。なお、艦橋部分の上部をエポキシパテで塞いだ関係上、全体にサーフェイサー1500を吹いているため、これが下地色となっています。余ったパテは台座の裏に錘として貼り付けました。観察中のうちの神姫(ストラーフ1st)。


 エポパテ加工部分のアップ。砲塔裏の隙間とタンク型のパーツの裏側も埋めてあります。下からのあおりと、下部砲塔を旋回させたときその効果が表れます。


 艦首の墨入れは、エナメル塗料のフラットブラックを塗った後にうすめ液を染み込ませた綿棒ではみ出した部分を拭き取っています。


 厚ぼったく見えるのは、青に使ったガンダムカラー・MSブルー(UG13)がまるでプライマーを混入させたかのような状態で、定着させるのに難渋し、厚塗りになってしまったためです。


 後ハメ加工はしていないので、後ろから見ると接合部が丸見えです。ただ、ランナー切り離し跡を消す際に、フィニッシングペーパーで削りすぎてしまったためかもしれません。


 濃いグレーの部分はブラックグレー(116)です。タイヤブラック、エンジングレー、ファントムグレー、ジャーマングレー、ニュートラルグレーのどれにするか迷った末、この色に決めました。
 全体の墨入れにはガンダムマーカーの墨入れシャープペンを使っています。この商品、かなり使えます。細かい筋や隙間用としては、という注釈がつきますが。


 ザ・裏側。タンク状のパーツは色分けを行っていません。代わりに、艦橋窓と同じくエナメル塗料のクロームシルバーとクリアグリーンの混色で、砲塔前の四角いモールドを塗ってあります。
 メイン色がラッカーの場合、こうした細かいところにはエナメル塗料を使うと便利です。はみ出してもエナメル溶液で拭き取れますからね。


 ここまでの写真で気づいている方はいると思いますが、艦橋窓以外の本体塗装を完了した後に、フラットベースのスプレーを吹いてあります。


 前回は色が落ち着きすぎると思ってやらなかったのですが、設定色のまま塗る場合でもやった方がいいと思います。かなり質感が異なります。


 ここで比較画像です。撮影者の腕も関係していますが、それを差し引いても全体的に落ち着いた印象があります。あやなみの方は塗装そのままで半光沢スプレーは使用していませんが、赤がかなり明るく見えます。元が半光沢の塗料は大体こんな感じなので、筆塗りの場合は作りたいイメージに合わせて最後にどのスプレー(つや消し、半光沢、光沢)を使うか選ぶとちょうど良いようです。


 そんなわけで、独自解釈による改磯風型突撃宇宙駆逐艦でした。
 困ったのは艦名で、既存のシールの切り貼りでは使える文字が限られるため、番号やUNの記章も含め今回は全く貼らないことにしました。

 あえて設定を付け足しておくなら、主機関の出力向上と艦内電子装備の強化による人員の削減。艦橋内部にスクリーンを設置することで上部を装甲化し、生存性を高めつつ機動力を増大させた改良型。
 主砲は主に艦載機や魚雷などの実体弾の迎撃用で、自らの攻撃は艦首の魚雷発射管にて行う。強行偵察及び、旗艦の直掩を任務とする高機動宇宙駆逐艦のテストベッドとして試作された。もしも、イズモ計画が実行に移されていたら、護衛艦として同行する予定だったフネ。
 ワープできないこの艦はお蔵入りとなり、ヤマトが波動エンジン始動前に主砲を撃つためのエネルギー供給源となり、最初で最後かもしれない役目を果たした。
 といったところでしょうか。


 ここからは余談なのですが、初代『宇宙戦艦ヤマト』から受け継がれている赤・白・黄の三色構成。自分でカラーバリエーションを考えてみて、2199で艦形を変えずにバリエーションを増やした苦心がようくわかりました。
 初代で色指定したひとは、シルエットと色のバランス感覚に秀でた人だったのでしょう。
 キットによって多少差異はあるのですが、この艦は単色で塗ると味気なくなり、あくまでも主観ですが黄色を嫌ってこの色を同色の白にすると悪い意味で地味になります。わざわざ二種類の白を使った理由はここにあります。
 オーソドックスなオリジナルカラーとしては、水上艦と同じ上下二色構成があるのですが、このキットの場合は各部のエッジが効いているのとマスキングが面倒なので、考えたあげくこうなりました。
 ぶっちゃけ、100系新幹線みたいですね。

 いまさらですが、ラッカー塗料はクレオス、エナメル塗料はタミヤです。二つの白のうち暗い方の漆喰色は、本来城郭プラモデル用ですが、これ白としては絶妙なバランスでして、下地色によって使い方の幅はかなり広がると思います。自分も全く違う用途に漆喰色を使っている作例を見て、この色を導入してみました。

 最後に無改造でかつ筆塗りでこのキットを作ろうとしている方は、下地にサーフェイサーは必要ないです。ただ、黄色については下地にサンディブラウンを塗ってからRLM04イエロー(113)を塗ることをお薦めします。ひと手間かかりますが、効果は大きいと思います。